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世界一周ツーリング日記  1995年6月〜1998年6月
77 エジプト 1996/12 エジプト

 

翌朝10時頃カイロを出発。
今日も市内はスモッグがひどくまるで霧がかかっているみたいだ。
川に沿って南へ走る。
それまでびっしりとあった建物が途切れ始め、畑が現れてきた。
カイロ市から40キロぐらい離れると車もぐんと減り、スモッグからも解放された。
ナイル川のお陰か周りは延々と畑が続いている。
女性はナイル川の水で洗濯し、食器を洗って入る。食事の残りかすを目当てにアヒルが彼女にくっついているのがおかしい。晴れていて気持ちがいい。みずはきれいでは無いがドブ川という訳でもない。

たまに小さな町を通り抜けるがその度に検問所があって煩わしい。
カイロから150キロぐらい南下した町の検問所で止められ、ちょっと待たされてから行っていいと言われた。
先に進むと、対向車線からパトカーがやって来てUターンし、ついて来いという仕草をした。
「え?後ろにつけってか?」
その後ろにつくとパトカーはサイレンをヒュンヒュンと鳴らして僕の先導を始めた!「ええ!」

サイレン鳴らしながら小さい町を一気に駆け抜ける。守ってくれてるのだろうが、とにかく目立つ!
その町を出ると次のパトカーが待機していて、バトンタッチしてまた先導する。
そしてまた次の町でバトンタッチ。休みたくても休めない。
40キロをパトカーと走った。そしてやっとパトカーがいなくなった。

ふう、やっと一人で走れる。するとまた検問所があった。
トラックの後ろについてゆっくり通過しようとすると後ろで何か言っているのが聞こえた。
アラビア語なので分からずそのまま進むと今度は大声で叫ばれた。
ん?自分の事かと思って停止して後ろを振り向くと、軍人が銃を構えて向かってくる姿があった!あーコワ!
よく見るとたくさんの銃口がこっちを向いていた。そのまま行っていたら確実に撃ち殺されていたな。
また待つように言われ、10分ほど待つと荷台に小銃を持った警官を乗せたピックアップトラックがやって来た。
そしてまた先導が始まった。
3台目のピックアップトラックにバトンタッチされてそのまま宿泊予定のアシュートの町に入っていった。
もう暗かった。彼らは市内のホテルまで先導してくれたが、それはすごく高級なホテルで一泊50ポンドもする!「こんな高いホテル泊まれません」
「幾らぐらいのホテルがいいんだ?」
「一泊5ポンド」(1.6ドル)。

彼らは先導してホテル探しもやってくれた。
荷台に乗った2人の警官は小銃を抱えてアチコチに目を配っている。
そんなに危ない所なのか?確かに4〜5年前に外国人観光客を狙った乱射事件があったけど・・・。
一泊5ポンドのホテルを見つけてもらい一安心。
バイクをホテル内に入れる為に入り口の7〜8段の階段をエイヤっとバイクで駆け上がったらロビーにいたエジプト人が喜んだ。
「明日は何時に出るんだ?」と上司らしい警官が聞いてきた。
「9時頃です」
「じゃあまた我々が先導するから待っておくように。決して一人では行動しないように」
と言って去っていった。
荷物を部屋に入れて、晩飯食いに行こうとしたらホテルの従業員が
「外に出ちゃいけないって警察が言ってたでしょう」と言った。
「食事したいんだけど」
「買ってきてあげるよ」
ホテルから出ることすら出来ないのか?

買ってきてもらったコシャリ(ぶっかけご飯)を食べたが今日はパンを食べただけだったからまだ物足りない。
ロビーに下りていくとエジプト人数人がいた。
あれこれ質問してくるがアラビア語なのでさっぱり分からない。身振り手振りだけなのでお互いもどかしい。その中に警官が一人いて、彼はどうやら僕のボディーガードで一晩見張ってくれるらしかった。なんてこった。

外出しようとしている人が「何か食いたいか?」と聞いてきたので
「サンドイッチが食べたい」と答えたら買ってきてやると言って出て行った。
んーせっかく買い物を口実に外に出たかったのに。
結局そのサンドイッチと紅茶をご馳走になった。

 


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