ブログ 自然 オートバイ 写真 プロフィール リンク
世界一周ツーリング日記  1995年6月〜1998年6月
72 イスラエル 1996/11 イスラエル

 

11/27
今日は荷物を降ろした身軽なバイクで死海へ行く。
快晴の下、標高800mのエルサレムから東へ向かうと道はぐんぐん下っていく。
標高0mを越えてもまだまだ下っていく。そして何も無い砂漠の谷間に青く美しい湖があった。
死海は海水位から400m低いところにあった。湖の向こうはヨルダンだ。

死海に手をつけその水を舐めてみると「うえっ!」と吐き出した。痛いほどに塩辛く苦い。
水も冷たくなかったので海パンに履き替えて、そろりそろりと死海に入っていく。
水は澄んでいるが濃度が高いのかもやもやとしている。そして足を水底から離した途端にポカリと体が浮いた。すげー!すげー!すげー浮力!どんなに暴れてもぜんぜん沈まない。仰向けになると体の1/3は水面から出ているではないか!これでは溺死のしようが無い。
あまりの浮力に笑いが出てしまう。まるでラッコになった気分だ。水中に立っても胸から上が出ているので立ち泳ぎの必要が無い。周りの人たちもただプカプカ浮いているだけだ。
水から出て体が乾いてくると水のしずくがそのまま塩の固まりになった。
水のシャワーで塩を洗い流してエルサレムへ戻った。

夜はまた旅行者同士で話が弾む。イスラエルに5年住むというイギリス人がいた。やはりここでは爆弾騒ぎはしょっちゅう起こっているらしかった。兵隊が人を殺したなんて日常茶飯事でニュースにもならなく、ここで雨が降ったとかの方がよっぽどニュースになるらしい。
宗教を厳格に守る人たちは外から見るとバカらしいことを貫き通している。ユダヤ教の人たちは毎週土曜か金曜は店を閉めて、労働は家事も何も一切やってはならないらしく、しかも半径1.2km以上の移動はダメらしい。用事がある時は前の日までに移動しておくとか、料理は前の日に作っておくとか。大人たちに合わせて子供たちまで宗教に染められている。彼らには宗教の自由は無いのだろうか。
このYH内でも2回爆発事故があったらしい。
2日前にはYHの前のバス停のベンチに「カバン」が置かれていた。すぐに警察が来て辺りを立ち入り禁止にし、YH内にいる我々に奥に引っ込んでいるようにと言われたばかりだ。
彼の話を聞いてシンガポール女性は呆れて、そして青ざめた。
自分たちの宗教こそが正しくて他のは悪だ、とそれぞれの宗教が言っている。
エルサレムはすごく醜く歪んでいる。

 

 

 

 


TOPに戻る

inserted by FC2 system