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世界一周ツーリング日記  1995年6月〜1998年6月
67 チュニジア 1996/11 チュニジア

 

8時頃起きる。ベッドが硬めでよく眠れた。ヨーロッパのベッドは柔らか過ぎてよく寝違いを起こした。
外はいい天気で、休日なのでか車も少なくえらく静かだ。
9時頃ホテルを出る。フロントのオジさんがあまりに柔らかくて丁寧なフランス語を話すのでやはりここはフランスの植民地だったんだなと思わせた。
海岸線を南に走る。時折り小さな村を通り過ぎると子供たちはみんな手を振ってくる。何台かのヨーロッパのオフロードライダーとすれ違った。ああ、しかしこんな平和はつかの間だった。

GABESから内陸へ向かうと風が冷たくなってきた。昼過ぎたので町の食堂に入った。
何があるか分からないので無難に昨日の夕食と同じメニューを注文する。
食べ終わってお金を払おうとすると店のオヤジは5.9ディナールだと言ってきた。
え?と思っているとオヤジは紙に書いてくれた。書いてあるメニューはアラビア語だから何の内容か分からないが、そんな数字はどこにも書いてなかった。昨日の夕食は2.05ディナールだったのでそんなはずはない。
「どれだ、どの料理だ、オヤジ!」とメニューを指差すと、オヤジは突然の反撃にびっくりしたのか何かブツブツ言い始めた。そしてもう1度紙に書いた。一番高い料理を3つと2倍の値段のコーラ。
「オヤジ!ボるんじゃねえぞ、コラ!」と日本語で怒鳴り、カウンターをバン!と叩いた。そして紙に正しい料金を書き、「これだろが!」と2.5ディナール叩きつけた。外国人だと思ってなめんじゃねーぞ。
そのまま出発しようとしたら2.5ディナールをいらないよと返してきた。そのままテーブルに置いて出た。なんてオヤジだ。昨日から机を叩いてばっかりだ。

山道を登っていくとマトマタに着いた。ここは地面に穴を掘って住んでいるということで有名な村だった。
子供が「ねえ、家に来ない?来てよ」と客引きをする。なんか観光ズレしたとこだなあ。
通りにBMWのオフ車がたくさん止まっているレストランがあった。みんなオフロードジャケットを着て20人くらいが食事している。話を聞くとヨーロッパから10日間2000キロのオフロードツアーらしかった。ヨーロッパではアフリカツーリングがそんなにポピュラーなのか。
「君はどこから来たの?」
「日本から。バイクで旅してます」
北米、中米、南米と回ってきたと言うと「おお、そうなのか」とみんなから拍手が起こった。
レストランの中には偶然にもフェリーで会った日本人女性3人がいた。僕も休憩しよう。
彼女らが泊まっているホテルはスターウォーズのロケに使われたところらしかった。ん!ルークが親戚と住んでいた惑星ダントィーンの地下住居か!

見学に行くと確かに地面に穴を掘って部屋があった。よく作ったなあ。しかもお湯シャワーで水洗トイレ。時間も遅かったので僕もこのホテルに泊まることにした。部屋は結構広い。ホテルのあちこちでスターウォーズのシーンが重なる。
ちょっと遅めの夕食を彼女らと食べに出たらもうどこもかしこも閉まっている。散々歩いてやっと高級ホテルのレストランが開いているのを発見した。女性が3人いたからかウェイターはやたらとサービスが良く、2人分しか注文しなかったのに4人分のクスクスが来た。小麦の粉を粒状に丸めて蒸して、その上に肉の煮込みがかけられている。日本の丼メシという感じか。うまかった。

ホテルに戻りロビーでみんなでワインを飲もうとしたら宿泊客か?従業員?の男らが寄ってきてうざったい。部屋に引っ込んで飲みながら彼女らの話を聞くと、町を歩いていても、彼らはすぐに声をかけてくる、すぐに寄ってくる、すぐ触ろうとすると苦労していた。

観光地はすぐにボッて来ようとして気が抜けないが、女性がアラブ圏を旅行するのはさらに大変そうだ。

 

 

 


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