朝9時に起きる。すごくいい天気だ。
日本大使館へバイクで向かったが道はややこしくて結局辿り着けなかった。
パスポートの更新はギリシャでやろう。
昼頃宿に戻り、今度は歩いて町の探索に出る。首都チュニスは大都会で、ビルや商店がたくさんあり、ヨーロッパの大きな町と変わらなかった。安食堂を見つけ昼飯を食べる。チキンを注文したのに出てきたのは牛肉の煮込みだった。しかし美味かった。しかも美味しいフランスパンが食べ放題なのでお腹一杯になった。

メディナ（市場）の中は小さな商店がウジャウジャと密集していた。細い路地がそれこそ迷路のように市場を走る。その市場はたくさんの人で混雑していた。暑い。34℃もある。
朝、いつものように石鹸で頭を洗ったら今までに無く髪がゴワゴワになったので久しぶりにシャンプーを買った。疲れたので宿に戻って横になったら寝てしまった。日が暮れてまた外に出たら相変わらず人は多い。

22時頃ロビーにいた宿のオヤジをつかまえて今日の宿代を払おうとしたら
「シャワーを2回使っただろ。14ディナールだ」と言ってきた。カチン。
「何ぃ！部屋代、バイクの駐車代、シャワー代、全部で12ディナールだと昨日言ったじゃないか！あんたは確かにそれでいいと言ったんだぞ！」
僕は大声で言い、机をバンバンと2回叩いた。人をおちょくってるのか？
昨日のオジさんに通訳してもらったが効果なし。
14払え、いやだ12しか払わんぞ、の平行線のままその日は決着が付かなかった。強欲ジジイめ！

朝8時に起きた。すぐに出発の準備をして、宿のオヤジが座っていた机に12ディナール叩きつけて外に出た。
こんな宿に泊まってられない。後ろでオヤジが「2ディナール足りないぞ。14ディナールだぞ」と言っていたがもう無視した。
両替屋で30ドル両替した。レシートを見ると1ドル/0.957ディナールになっている。ん？
「外の掲示板には1ドル/0.961ディナールとなってるじゃないか」と大きな声で両替屋に文句を言うと
「レートが変わったんですよ。0.957です」詐欺じゃないか！
「決められたレートで両替する法律なんですよ」
「ふざけんな。客を騙すのも法律か！」と言いたかったがそういう英語は知らなかった。
後ろに並んでいた人が「じゃ、じゃあイタリアのお金のレートはどうなんですか？」と慌てて聞いてきた。
そうしたらかなり表示と違っていたらしくブツブツ言いながら去っていった。気が抜けない。

ガソリンを入れたら1リットルが0.57ディナールだった。0.65ドル/リットルか。イタリアの半値だ。
ガソリンスタンドはシェルやエッソ、トタル、エルフとか色々あった。
チュニスを出て南のSFAXへ向かう。バイクは無料な高速道路を走るがつまらないので一般道を走ることにした。いい天気だが風が少し冷たい。ずーっと畑ばっかりで大きな山も無い。
時折りドライブインが現れる。店先で焼肉をしていて美味そうだ。ん？しかしその横には解体されている子ヤギがぶらさがっていた。しかもその横には生きている子ヤギが繋がれていた。すごい光景だな。

何も無かった平原に突然コロシアムが現れた。あまりに突然であまりにさり気なかったので驚いた。ローマのコロシアムより一回り小さいか。そのコロシアムを取り囲むように小さな町があった。

夕方前に着いたSFAXも大きな町だった。車が多くそのどれもが無茶苦茶な運転をする。そして人間もバンバン道路を横断してくる。危ない危ない。
今日はすんなりと宿が見つかった。町歩きをすると翌日が祝日らしく町中大統領の顔写真が貼られていた。
旧市街のメディナに入り込むとチュニスのメディナほど観光化されてなくて落ち着くことが出来た。賑やかな路地は2〜3本だけで、その他はオヤジがミシンをカタカタと動かしていたりしてひっそりとしていた。
町を歩く女性はとてもきれいだ。アラブの血とフランスの血がうまく混ざっているのか。