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世界一周ツーリング日記  1995年6月〜1998年6月
65 チュニジア 1996/11 チュニジア

 

6時頃目が覚めた。もうシシリア島の港に着いたらしくまばらだった客はさらに減っていた。
そしてかなり経ってから客が乗り込んできた。2時間遅れの午前11時に船は出た。
甲板に出るとモトクロスウェアを着たライダーが4人いる。彼らはイタリア人でこれからリビアに走りに行くらしい。
リビアの砂漠を走るなんて日本人の僕には絵空事みたいだが彼らにとっては大した事ではないらしい。日本で北海道に行く感覚だろうか。

船内に珍しく日本人女性が3人いたので話をする。
フェリーの中を歩いていると壁に向かってお辞儀をしている人がいた。イスラムの国が近いと感じさせる。
そしてとっぷりと日が暮れた午後7時にチュニス港に着いた。さあ入国手続きだ。
地元ライダーとも言える彼らについて行ったらスムースに手続きが済んだ。夜のチュニスの街に走り出し、リビア方面に向かう彼らと別れた。
一気にアラビア語の世界に放り出された。まるっきり分からない!しかし標識の下に小さくフランス語でも書かれてあったのでなんとかチュニスの中心街に向かうことが出来た。
チュニスの町は大通りの両側に高級ホテルがズラリと並ぶ大都会だ。安そうな宿が見つからない。3軒目にやっとバイクをホテルの中に入れられるところが見つかった。
ホテルのオヤジはアラビア語とフランス語しか喋らない。僕はそのどっちも解らないので交渉はかなり手間取った。なんだなんだと人が集まって来て、最後には5人に囲まれていた。ふう、寝る所が決まって一安心。
受付でレストランの場所を聞いたら1人のオジさんが案内してくれた。
しかし、もう20時半なので店は殆ど閉店の後片付けをしている。
チュニジアはイスラム教の国だが女性はベールをしていない。くっきりとした顔立ちの美人が多かった。そして男はみんな暑苦しくて濃い顔をしている。初めて歩くアラブの町をキョロキョロしながらオジさんの後をついていくと1軒のレストランに入った。
何が食べられるのかさっぱり分からないのでオジさんが注文してくれた。
出てきたものはヒーヒー辛いスパゲッティーと真っ二つに割られて焼かれた羊の頭だった。羊の顔に残っている肉をこそぎ落としながら食べるがかなりグロテスクなので持て余してしまう。オジさんは気を利かせて頭蓋骨から肉を剥ぎ取ってくれた。頬の肉はうまい。
頭蓋骨をひっくり返すと脳みそが残っていた。少々口に運んでみた。トロっとしていたが味を感じる余裕はなかった。食後にカフェでコーヒーを飲んだらとんでもなく強かった。
客の大半は水タバコを吸っている。1メートルくらいの高さの、水が入ったくびれた壷の上に小さな炭が載っていてその下で葉っぱが燃えている。みんな小さな団扇で炭を扇ぎながら壷の下部についたパイプからボコボコと煙を吸っている。見るもの全てが初めてで面白い。
オジさんは少し英語が喋れた。隣の国のアルジェリアからここに住む母親に会いに来たと言った。ドイツのベルリンで働いていたこともあるそうだ。
宿に戻り、トイレに行くと便器の横に1mくらいのホースが備え付けてあった。あれっ?これってお尻を水で、指を使って洗うやつか?インドのトイレの話は聞いていたがチュニジアもか?心の準備が出来ていなかったので紙を使った。

 

 

 


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