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世界一周ツーリング日記  1995年6月〜1998年6月
50 イタリア 1996/7 イタリア

 

船は地中海の海岸線に沿って走る。海に面したヨーロッパの町に手が届きそうだ。
そして7/11の夜10時船は無事にイタリアのジェノバに着いた。その日はそのまま船内に残り上陸は明日だ。

翌日午前9時頃船内での下船手続きが済んだのでみんな大きな荷物を持ってバタバタと出て行く。
のんびりと最後に船倉へと降りていくとみんなはまだタクシー待ちをしていた。
バイクに荷物を取り付け颯爽と出て行こうとしたが、そのエンジンがかからなかった。
20分ほど汗だくになってやっとエンジンがかかったらみんなから拍手が起こった。恥ずかしいやらかっこ悪いやらで、手を振りながら船を後にする。
すごくいい天気だ。さあ、ここから旅の第2ステージが始まる。

走り出すと、目に見えるものが今までとまったく違う。雰囲気が違う。
ここはヨーロッパなんだなと体中で感じることが出来る。
ジェノバ中心街のATMでキャシュカードを使ったらちゃんとイタリアのお金が出てきたので一安心。
ガソリンを入れたらとんでもない数字が表示された。いったいいくらなのかピンとこない。1ドルが1750リラという数字も解りづらい。落ち着いてゆっくりと計算したら、ガソリン1リットルが120円ぐらいというのが解った。120円!日本と同じじゃないか。今までの南米より倍近いぞ。ヨーロッパの物価の高さに先制パンチをくらった気分だ。
まずはバイクの保険に入らなきゃ。ということで自動車協会があるミラノへ向かう。
都会のジェノバをなんとか脱出し「ミラノ方面」という看板を見つけると、ようやく落ち着いて周りの景色を見られるようになった。道路は狭く、4〜5階建ての古いビル達が両側からのしかかってくるようだ。
走る車はさすがイタリア、多種多様でバイクは名前はおろか、メーカーさえも聞いたことがないのがたくさん走っている。

郊外に出ると畑や牧場が続くのどかな風景に変わった。夏だからかたまに一面黄色のひまわり畑が現れる。なんとか大都会ミラノに到着し、YHを探し当ててチェックインすることができた。さあ身軽になって町歩きだ。
町の中心のドウォーモ広場へ行こうと路面電車に乗ったはいいが中にはお金を払う場所がない。
隣に座っていたオバちゃんにどうやって払ったらいいか聞いたら、早口のイタリア語で説明されまったく解らなかった。見かねてそばにいたオジさんが英語で通訳してくれた。どうやら停留所で切符を買って電車の中にある機械でその切符に時間を記入するらしかった。オバちゃんは無知な観光客が困っていると思い自分の切符を使ってくれていた。親切が身にしみる。

ドウォーモ広場に着くとそこには大きくて立派な教会があった。観光客もうじゃうじゃいた。自分もその一人か。広場周辺には高級そうなデパートがあり、中では日本人女性が高級品を買い漁っていた。
周辺をウロウロしていると薄汚れた女の子がお金ちょうだいと寄ってきた。彼女はパンフレット片手に持ち、それをこっちの腰の辺りに突きつけてくる。何だ?と思っていると、そのパンフレットの下からこっちのズボンの前ポケットに手を伸ばしてくるではないか。あぶない、あぶない。

本屋さんにはバイク雑誌もたくさん並んでいる。その中でモトクロス雑誌を一冊買った。YHで読んでいると、なんともうすぐMX世界GPがイタリアで行われるではないか。場所もそんなに遠くはない。これは行くしかない!

翌朝9時にYHを追い出されてしまった。こっちのYHは9時〜15時まで外に出ていなければならないので落ち着けない。またドウォーモ広場へ向かう。
今日は日曜日なので車も少なくすごく静かだ。店も閉まっていて町も静かだが。
広場の近くですごく長い行列があった。しかもその3分の2は東洋人だ。この古臭い建物の奥に何かあるんだろうか(無知は怖い。ここにはあの有名な最後の晩餐の絵がある場所だった)。
建物の出口にみやげ物屋がいる。日本語のパンフレットも売っていた。日本人の団体客が出てくるとすかさず「ミヤゲ、ミヤゲ。オマケツケルヨ。センエン、センエン。センゴヒャクリラデス」などといって売り始めた。
高い!と思ったが数人の日本人が買っていった。

広場中央の大きな教会では日曜のミサをやっていた。たくさんの信者とたくさんの観光客がいて厳かにミサは行われるが観光客のカメラのストロボがうるさい。
公園の芝生の上で休憩していると近くに日本人らしき女性2人がいたので話をしてみる。夏のこの時期に往復17〜19万円というチケットを買い、たった4〜5日の予定で来ていた。これが日本の普通のヨーロッパ観光旅行なのだろうか。相変わらず日本人の団体がぞろぞろと通り過ぎる。日本人は金持ちだなあ。
広場には夜になってもたくさんの人がいる。教会はライトアップされてまたきれいだ。
しかし広場の地下には地下鉄の駅があるからかやたらと蚊が多い。みんなパチンパチンやっている。
イタリア人のナンパ師も多い。少しでも興味を示す素振りを見せれば腕を掴まんばかりに迫っていく。
彼らも一緒にパチンしたいくらいだ。
 

 

 

 


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