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世界一周ツーリング日記  1995年6月〜1998年6月
38 ブラジル 1996/2 ブラジル

 

8時半にチリのサンティアゴ空港を離陸し、アンデス山脈を飛び越え、茶色の川がのたうちまわる緑の平原の上空を突き進むとサンパウロに着いた。そこからそのままリオデジャネイロまでひょいと飛ぶ。
着陸して機外に出ると熱くてぬめっとした空気に包まれた。すごく蒸し暑い。空港はカーニバルを間近に控えてごった返しているかと思ったらガラガラで拍子抜けしてしまった。とりあえずバスでコパカバーナへ向かう。
さすがにここは満員でしかも高いというホテルばっかりだったが、運良くキャンセルで今日一日だけ空いているという宿を見つができた。やれやれ一安心。とりあえずビーチへ行こう。
海岸通りを横切ると砂のビーチが4kmほどつづいていてたくさんの海水浴客がいた。大西洋の波は結構荒く、波打ち際は砂が舞い上がって濁っている。女性はほとんどがTバックの水着を着ていて、ビーチを歩いていてうれしいかぎりだが、若い娘だけならまだしもオバさんやすごいデブまでTバックというのはやめてもらいたい。
夕方一旦ホテルに戻ってシャワーを浴び、夕食を食べに出る。ピザ屋やハンバーガー屋はたくさんあるが安レストランは見当たらない。しかたなく比較的安そうな立ち食いレストランで焼肉のセットを食べる。5レアル!5ドル以上もする!いままでの3倍近いぞ。この先どうなることやら。夕方ビーチで知り合ったアルゼンチン人の女性と10時半に待ち合わせていたが、彼女は時間通りにやって来た。よかった、よかった。

ホテルは朝食付きだった。パンとチーズとコーヒー、オレンジジュースと大きなパパイヤの豪華版だ。今日はまた宿探しをしなければならないなあと考えていたら、運良く部屋をシェアする人間を探しているオーストラリア人がいたのでその仲間にいれてもらえることになった。
彼はジョンベルーシに似てちょっと太めで目がクリッとしていて、またやることもお茶目でまるでコメディアンだと思ったらほんとに俳優さんだった。他に背が高くてかっこいいドイツ人、オックスフォード大学に通うイギリス人、オーストラリア人女性の計4人だ。みんな気さくで仲がいい。昨夜の部屋にはエアコンも扇風機も無かったのでとても寝苦しかったがこの部屋にはエアコンが付いているので快適に眠れそうだ。
朝食を食べた後コルコバドの丘へ向かう。市内バスで山頂行き列車の駅へ行き、急勾配の登山列車で30分ほど登っていくと標高700mの頂上に着いた。そこには大きなキリスト像が両手を広げて立っていた。これを見たらリオデジャネイロにやってきたんだという実感が湧いてきた。眼下にはリオデジャネイロの町が見える。コパカバーナビーチもきれいに見える。天気がいいので最高の景色だ。空港に着陸するジェット機が我々と同じ高さで飛んでいく。


シャワーを浴びて夕食を食べに外に出ると海岸通りはえらく盛り上がっていた。いよいよ今日からカーニバルが始まる。野外ディスコではみんなのりまくって踊っている。コパカバーナにHELPという有名なディスコがあるので夜12時前に行ってみる。まだ時間が早いのか広い店内はガラガラででかい音量の音楽が空しく響いている。やがてぽつぽつと踊りだす人間が現れ、それにつられるように次々とみんなも踊り始めた。女性は派手な衣装を着てこれでもかと腰をくねらせて踊る。なかにはカーニバル会場からそのまま来たのかと思えるような衣装の女性もいる。ボックスでドリンクを飲んでいる男性のひざに四つん這いでお尻をこすりつけながらまるで盛りのついたサルのように踊っている商売女もいる。広いフロアはいつの間にか満員になっていた。結局2時過ぎまで踊った。いい汗かいた。しかし一人で来てもおもしろくない。

翌日
夕方から同室の4人でバスでカーニバル会場へ向かう。
でかい!1kmほどの直線道路の両側に観客席がずらりと並んでいる。これが年に一度のカーニバルの為だけの会場か!まるで鈴鹿のホームストレートがそのまま来たような規模だ。一体何万人入るんだろうか。音楽はずっと鳴り続けている。6時に始まる予定だったがそう順調にはいかない。日が暮れて照明が灯る頃には大きな会場は満員になっていた。音楽がガンガンと一際大きく鳴り、やっと始まったみたいだが直線の終わり付近にいる我々にはまだまったく見えない。30分ほどかけてパレードはゆっくりゆっくりやってきた。ものすごく派手で、ものすごく美しい衣装を着た、ものすごい数のダンサーたちがサンバのリズムに乗って激しく踊りながらやってきた。その後ろにもすごく派手で美しいすごく大きな山車がやってきた。4000人のダンサーたちが生命のエネルギー、美しさ、はかなさをほとばしらせる。数万の観客もみんな一緒に踊っている。会場は完全に一体化していた。衣装、数、規模、すべて予想を遥かに超えた素晴らしさだ!来て良かった!日本からだとちょうど地球の反対側になるがそれでも見る価値はあると思う。


5〜6の大きな山車を持った一つのチームのパレードが終わるのに1時間はかかる。ダンサーも一チーム数千人規模だ。そのパレードが一晩中続く。12時、1時になっても観客も踊りまくっている。さすがに2時間に一回ほど休憩が入りトイレに行ったり食べ物、飲み物を手に入れたりしている。午前3時に出てきたパレードはそれまでのパレードを圧倒する規模、美しさだった。一体これは何なんだ!凄すぎて何がなんだかわからない。

午前6時頃になるとやっとみんな疲れてきたようで、音楽がガンガン鳴っているのに眠っている人もいる。やがて夜が明けてきたがまだまだパレードは続く。朝日がチリチリと暑い。その日最後の9つ目のチームが終わったのは午前8時だった。延々14時間もパレードをやるなんてすごい。見る方もすごい。

 


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