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世界一周ツーリング日記  1995年6月〜1998年6月
30 コロンビア2 1995/12 コロンビア

 

コロンビアはゲリラが多くて有名で、山岳地帯を走るとやたらと軍の検問が多い。
検問ではパスポートを見せるだけで
OKだが、横で小銃持たれるとちょっと怖い。
峠を上りきって高原に出るとそこが首都ボゴタの町だった。首都というだけあって大都市、人口
500万人。でかい。
国道を通ってとりあえず町の中心部に向かうが、町はすごく混雑していた。道路は片側
4車線ぐらいあるがバスや車はむちゃくちゃな運転をするので怖いくらいだ。バスは平気で道路の真ん中でいきなり停車して乗客を吐き出すし、車はスキあらばと走る。そしてその混雑に生活用の馬車が拍車をかける。ルールも何もあったもんじゃない。危険を感じるので早く宿を探さねば。
運良く日本人宿を見つけたのでそこに泊まることにする。
他に
3人の日本人旅行者がいた。グアテマラを出発して以来1ヵ月以上日本語を話していなかったのでその日は夜遅くまで話をする。
バスで繁華街へ行く。寒くてジャケットが手放せない。この間まで気温30℃以上だったのに、この標高2600mの町は気温13℃しかなかった。

今日はクリスマスイブで休日なので市内は車が少なかった。通りを歩いていると男が1人軍人からボディーチェックを受けていた。
あらら、かわいそうにと思いつつ、その横を通り過ぎようとすると自分も彼らに捕まり、ボディーチェックを受ける羽目になった。
壁に両手をつかされると服やポケットをまさぐってきた。映画みたいだが自分がそれを受けることになるとは。
「ポケットの中の物を出して」と軍人がいったので、持っていたコンパクトカメラと護身用の小さな催涙スプレーを取り出した。
「このスプレーはこの国では禁止されている。許可証が無ければ没収だ」
といって取り上げられた。
「アメリカで
5ドルで買ったんだ。じゃあ5ドル払ってくれ」
といったが通用するはずも無かった。

翌日
25日はクリスマスだが昨日以上に町に人や車はいなかった。クリスマスはみんな家で家族と過ごすらしい。

15℃だった高原の町ボゴタから下界へ下っていくと、どんどん気温は上昇し35℃になった。そして美人とサルサの町というカリに着いた。町を歩くと本当に美人が多い。そして黒人の姿も多い。血の混ざり具合が絶妙なのだろうか。サルサの町らしく夜は遅くまでバーが全開だ。
通りには今までに無くバイクの姿が多い。小排気量トレールモデルが殆どだがそのどれもが美しい女性を後ろに乗せて走り回っている。ノーヘル、ライト無し、ウィンカー無しは当たり前で、モトクロッサーさえ走っている。無法とも思えるが、みんなすごく自由で楽しそうだ。ローラースケートを履いた男達がピックアップトラックの荷台にしがみついて走っているし、
50台ぐらいのバイクの集団がワーワーと歓声を上げながら町を走りまわる。バーもディスコも町も全開だ!

発前にバイクをホテルの前に移動し、いつもそこで店を開いているおじさんにちょっとバイク見ててくださいと頼む。
荷物をバイクに積んで出発の用意ができた。
「ありがとうございました。いつもここにいますね。朝から夜までですか?」
「そうだよ。もう
8年もやっている」
彼は歩道で箱にお菓子やバラ売りのタバコなどを並べて売っていた。たいして売れているようには見えないが。おじさんからビスケットを
1つ買って出発する。

南へエクアドルへ向かう。この先山賊やゲリラがよくでるらしい。グアテマラのホームステイ先で一緒だった日本人が、バスでこの道を通っていてバスごと襲われたといっていたので緊張して走る。たまに軍のトラックとすれ違うが彼らは顔をゲリラに憶えられないためか覆面をしている。これじゃどっちがゲリラわからない。
山が大きく迫ってきた。これがアンデス山脈か!4000m以上の山々が連なり、すごく雄大な景色だ。大きな山の斜面に引っかき傷みたいな道が張り付いている。あ、トンネルだ!アメリカを出て以来今までトンネルはなかった。懐かしいものに出会った感じだ。
しかしトンネル内に照明は無かったので真っ暗な中を恐々走る。

峠では10mおきに子供やおばちゃんが「お金ちょうだーい」と手を差し出して立っている。ひどいのになると道路に紐を引っ張ったり、棒でゲートを作って無理やり車を止める奴もいる。子供ならまだしも大人がやると見苦しい。こんな険しい山の中そうやって暮らしているのだろうか。停まって欲しかったら裸の女性でも立たせておけ!と思いつつ、彼らから逃げるようにアクセルを開ける。
大きなケーキをナイフで縦に1000mズバッズバッと切ったかのような、よそ見するだけで吸い込まれそうな峠を走ると国境の町イピアーレスに着いた。
寒いのでホテルを探し、すぐにホットシャワーを浴びようとしたら何も出なかった。断水中だった。
息が白くなる町を歩き、暖まろうとカフェテリアでカフェオレを注文したらオムレツが出てきた。がっくり。


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