ブログ 自然 オートバイ 写真 プロフィール リンク
世界一周ツーリング日記  1995年6月〜1998年6月
22 グアテマラ 1995/10 グアテマラ


60Km離れたマヤ文明最古、最大の遺跡ティカルへ行く。このために延々とダートを走って来たのだ。
平らで濃密なジャングルの中の道をしばらく走るとそれはあった。
駐車場にバイクを置いてジャングルの中の遺跡を歩き回る。そびえ立つほどの石の神殿の上に登ると、広い緑の海のようなジャングルの中に大きな神殿が幾つも突き出しているのが見える。よくこんなの造ったなあ。どこかで見たような景色だなと思ったら映画スターウォーズの、ジャングルの中の反乱軍の基地だった。
こんな大きな都市にはたくさんの人が住んでいただろうな。

それから南へ向かってダートをひた走る。村々を結ぶ車は全てトラックでそのどれもが荷台に溢れんばかりに人間を乗せている、いや載せているといったほうがいいかも。
大きな穴があるたびにひっくり返りそうなくらい大きく傾いて、えっちらおっちら進んでいく。
時おり見かける女性は皆、美しい刺繍のウィピルを着ている。
前方で道路を歩いている人たちは、車の気配を感じるとまずさっと路肩によけてそれから後方を振り返って確認をするが、それが
200m離れていても同じようにびくっと反応してサッと路肩に引っ込む後姿はちょっと笑ってしまう。
バイクが通り過ぎるときは興味津々の目でじーっと見ているが、いざこちらが道を尋ねようとすると恥ずかしがってささっと逃げてしまう。
家々の屋根は草葺き、壁は竹や板で囲っただけの貧相なつくりで、板の隙間から家の中が見えるほどだ。獣道の先の急斜面に猫の額のような小さな畑が作られている。こんな山間地であんな小さな畑耕していったいどれだけの収入になるのだろうか。
グアテマラは世界でも最も貧困な国の一つだ。

やっとダートが終わりコバンの町に着いた。なんと舗装路の快適なことか!
「ふう!」と声が出る。

西へグアテマラシティーへ向かう。
交通量はぐっと多くなり、バスやトラックが殺人的な追い越しをかけてくる。
グアテマラシティーは人口
200万人で中米で一番大きな町だ。車も多く、バスやトラックはモクモクと黒煙を吐き出しながら走るので市内はすごく空気が汚い。
こんな大都会はさっさと通り過ぎてアンティグアへ向かおう。
交差点で標識が分からずに困っていたら地元のライダーが声をかけてくれた。
「アンティグアに行くのか?ついておいで」といって先導してくれた。
彼もアンティグアに向かっているのだろうか。とにかく助かった。

1時間ぐらい走るとアンティグアに着いた。
「君はここに住んでいるの?」と聞くと
「いや、案内しただけでこれからまたグアテマラシティーに戻るんだ」
ええ!自分のためにここまで来てくれたの!なんとありがたいことだろう!涙が出そうだ。
とにかく、ありがとう、ありがとうといって彼を見送る。

アンティグアグアテマラはかつてグアテマラの首都だった町だ。アンティグアとはスペイン語で古いという意味。英語のアンティークと同じ。
スペイン征服時代の古い建物がたくさん残っていて、日本でいう京都みたいな風情がある。静かで趣きのある町なのでメキシコ以南の観光の名所になっている。日本人観光客も多く見かける。そこは町の中心部の公園だった。まずは宿探し。
宿の数も多いのですぐに見つかった。今日は電灯とシャワーがあるぞ!


TOPに戻る

inserted by FC2 system