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世界一周ツーリング日記  1995年6月〜1998年6月
9 アラスカハイウェイ4 1995/7 カナダ

久々の大都会に着いてちょっとゆっくりしようと思ったが、早く北極海をこの目で見たくなり、翌日さらに北上することにした。
フェアバンクスを抜け、フォックスの町を過ぎると道は舗装路からジャリ道に変わった。
この先北極海まで800Km、ひたすらジャリ道らしい。
オフロード人間の自分にとっては楽しい限りだ。日本では絶対に味わえない距離だ。
ガソリンは満タンだし、気力も充実している。
よし来い、アラスカ!
ただ一日で走れる距離ではないので、途中必ずどこかでキャンプしなくてはならない。
熊が恐い・・・・・。

もう町も何も無くなった緑の平原の中をひた走る。
道自体は、北極海で石油を掘っていて、そこまで大型トラックが走るのでそんなに荒れてはいない。ただそんな大型トラックに出くわすと離合するときに恐い思いをするが。
いくつもの峠を越えていくと、途中に北極圏の看板があった。
地球を上から見た、北半球の絵が描いてありそこにアラスカ、ロシアを通る、北極圏を示す円が描いてあった。
この地球上での自分の位置を改めて教えられると、「おおう。」と声が出た。

北極海から出た石油は1メートルぐらいのパイプで運びだされていて、それは最終的に太平洋側のアンカレッジまで続いているらしい。
この道にそっと寄り添うように同じくパイプが北へと走っている。
ただパイプラインが野生動物の行動の邪魔をする可能性があるので所々パイプをぐいっと2メートル程地面から持ち上げてある。
銀色のパイプがうねうねと地面を這いながら、ずーっとずーっと地平線の彼方へと伸びている。あの先が北極海。

大きな川が現れ、りっぱな橋を渡るとそれがユーコン川だった。
橋を渡った所にガソリンスタンドがあった。フェアバンクスから200キロ何も無かった。
ガソリンはまだまだあったが用心の為に入れておく。

それからまた3時間程走ると、またガソリンスタンドが現れた。
さっき入れておいたのでそのまま通り過ぎようとしたら、
「次のガソリンまで360キロ」
と書かれた看板があったので少しビビッてしまった。

大陸を旅するのは、深い海を泳ぐのに似ている。
「えいっ」と飛び込んで島を目指す。
下は暗くて、深くて何がいるか分からないのでどうも落ち着かず、止まることも許されない。
そしてやっと泳ぎ着いて一安心。その繰り返しだ。
しかしバイクはすごく快調でまず故障するとは思えず、そんな心配は無用とばかりに前へ、前へと進んでくれる。
心強い相棒だ。

一日ダートを走っていい加減くたびれて、腹もへってきたので17時頃大休止する。道端で夕食を作り、腹に押し込む。
この先の天気がちょっと心配になり、もうここでテントを張ろうかと思ったが、まだまだ日は高くてもったいないのでまた走りだしてしまった。
21時頃、熊に怯えつつ道端でキャンプをする。

 いきなりの珍入者にプレーリードッグが背伸びをしてこちらを窺っている。


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