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世界一周ツーリング日記  1995年6月〜1998年6月
7 アラスカハイウェイ2 1995/7 カナダ

アラスカハイウェイはまだ完成されておらず、いたるところで舗装工事を行っていた。
海のように広がる森林を、幅50メートルのバリカンを使ったかのようにきれいに刈ってあり、そこに土を固めた幅20メートルの道が突っ走しり、さらにほこりが立たないように水が撒かれてある。おかげでバイクは泥だらけになってしまうが。たまに水の撒きすぎで道路がぐちゃぐちゃになっていて、深い四輪車の轍が急に現れたりするとゲッと驚いてしまう。

前方からバイクがやって来たので、いつものように手を振って挨拶する。
バリバリバリと排気音を響かせながらDR350がすれ違った。
ツーリングバイクにしてはうるさいマフラーだなと思っていると彼はUターンして自分を追いかけてきたではないか。路肩に止まると彼も止まり、そのヘルメットの中から日本語が飛び出してきた。
日本人の野呂さんという人だった。やせていて長髪を頭の後ろで束ねていてちょっと変わった雰囲気を持つ人だった。
彼はもうアラスカを走ってきて、これから南下していくところだった。
彼とは今後のルートが似ているので、また南米のどこかで会うことだろう。

まだ日が高い午後7時半に湖のそばの空き地にテントを張る事にする。
バイクを一端降りるとワーッと蚊が寄ってくるので、網でできた帽子を被りエイヤッとテントを立てて、一気に中に飛び込む。それでも何匹かは入り込むので、根気良くそいつらを退治していく。
隣の空き地が騒がしくなってきた。どうやら家族連れがキャンプするようだ。

夜中に突然、ウォー!という人の叫び声で目が覚めた。
なんと隣の家族連れが音楽をガンガンかけまくり、ウォー!ガァー!と大声コンテストかと思うほどの叫びを続けているではないか。
なんてこった、今からパーティーやんのか?
そしてブィーン、ブィブィーンとエンジンの音が聞こえたと思ったら、なんとチェーンソーで木を切り倒し薪をつくりはじめた。こいつら狂ってる・・・。
彼らのパーティーはまったく終わりそうな気配は無く、また身の危険も感じたのでテントをたたんで別の場所へ移動した。
薄明かりの中でテントを立て直しつつ、もう朝が近いのかと時計を見たら、まだ午前2時だった・・・・・・。

午前中にユーコン州の州都ホワイトホースに着いた。
2本の川があるだけの小さな町だった。カー用品屋でエンジンオイルを買い、駐車場で初のオイル交換をする。
3000Kmでレベルゲージの上限から下限まで減っていた。だいたい予想通りか。ついでにチェーン調整もしておこう。
町の出口でガソリンを入れる。
70Km/hぐらいでスピードを抑えて走ったので、38Km/リットルと燃費が良かった。

町を出ると、やっと晴れてきた。
緑の地平線だけだった景色に山が現れて変化が出てきた。
景色がいいところでバイクを止めて休憩する。
道端の芝生の上で大の字になると、青い空が眩しかった。
足元の方向にある森林がずーっと遠くにある雪山まで続いている。
険しい山、白い氷河、白い雲、そして青い空。
最高の贅沢だ。
「あー、気持ちヨカ。」
小鳥のさえずりが聞こえる。


真っ青な湖の横を走り、その日はアメリカとの国境そばの空き地で野宿する。



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